注意:
連休中の授業日程調整のため、4月30日(木)は水曜日の授業となり、木曜の授業は行われません。
従いまして、地学概論Aの第3回の授業(このページに相当)は連休明けの 5月7日(木)となります。
普遍校舎の彼方此方での掲示のほか、ガイダンス資料・授業カレンダーにも明記してありますが、
前回(第2回)の授業配布資料が「来週の授業」と誤表記になっていましたので(授業中に気付いて「次回の授業」と言い直しましたが)念のため。
実は私も最近知ったのですが、前回の授業(古生代まで)の後、NHKがカンブリア紀の海を舞台にしたアニメ、「ピカイア」を開始し、連休中に既に2回放送されています(以下のスライド)。ピカイアとは原始脊椎動物とも呼ばれる最初の脊椎動物で、魚の(そして我々の)祖先にあたります。しかもバージェス動物群のひとつで、カンブリア爆発の生物種の一つとも考えられます。
しかしこのネーミング、私が思うに、多分ポケモン(PokeMon!)のピカチューを意識したのでしょう。実際、登場する古代の動物たちも(前回学んだグロテスクなものではなく)可愛いアニメキャラ(ポケモンに出てきても違和感のないキャラ)になっています。
皆さんにお勧めなのは、アニメよりもこちら。5月10日(日曜日)の夜から3回に渡り、NHKスペシャルで生物進化とDNAの関係を解りやすく扱った番組、生命大躍進が始まります(以下のビデオは第1回の予告)。この授業とモロに関係しますので、是非ご覧になる事をお勧めします。詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
http://www.nhk.or.jp/seimei/index.html
(スーパー)プルームについては第5回・プレートテクトニクスの授業で学びますが、上の図について作成者の磯崎先生が解りやすく講義をしている映像が有ります。以下のビデオの8:30-16:53(計 7分23秒)の部分に相当します。実際のP-T境界の地層や、先述の大量絶滅のグラフの説明なども出てきますので、興味のある方は是非ご覧ください。
超巨大大陸パンゲアが形成され、その下に溜まった熱によってスーパープルームが形成され、パンゲアが分裂しはじめ、その際の大規模な火山活動によって海洋の硫化水素などによる汚染、二酸化炭素の増加による酸素欠乏(後述)などが起こって大量絶滅が起こるのですが、そのパンゲア形成に至る、プレート収斂(しゅうれん)の動き、形成後のプレート分裂の動きを先カンブリア紀(原生代終盤)の6億年前から時間を追って、以下に観て行きましょう。
上のスライド(ペルム紀前半)と下のスライド(トリアス紀前半)の間に当たる、ペルム紀後半 に パンゲアの分裂と大規模な火山活動が始まり、トリアス紀(三畳紀)前半(下のスライド)まで盛んな火山活動が続きます。パンゲア大陸も下の図のように、赤道付近など、少しずつ割れて行き、大陸が分裂して行きます。
その時の火山活動の様子が以下の数点のスライドです。
ただし、つい最近(先月)になって、巨大両生類の一部はP-T境界の大量絶滅を生き残り(多分、淡水湖に住んで居たため、海底火山からの硫化水素から守れていたのでしょうが)、トリアス紀(三畳紀)前半まで生き延びますが、その後直ぐに絶滅してしまいます(以下のスライド:先月のニュースから)。
恐竜絶滅の原因は隕石衝突説によるものが最も有力ですが(最近になって、隕石衝突だけでなく火山活動なども起こったという複数原因の説も支持を集めていますが)、この隕石衝突説のきっかけとなったのが、世界中で白亜紀~(新)第三紀の境界(K-T境界)にあたる地層から、地上に少なく、隕石に多量に含まれる物質・イリジウムが見つかった事です。以下の写真はカナダ・アルバータ州のK-T境界の地層です(白い層とごげ茶色っぽい層の境がK-T境界です)。
以下の写真はK-T境界にある白い粘土層(ワイオミング州の露頭で採取されたサンプルの例)。この粘土層にイリジウムが通常の千倍の濃度で濃集しています。厚さにして 1~2cm 程度しかありません。
以下のビデオの 9:35-21:20 (計10分45秒)の部分を観ると、イタリアのK-T境界の露頭の様子や、隕石が衝突した際のクレータや津波堆積物など、いろんな証拠が登場します。